【ライブ鑑賞レポート】9mm Parabellum Bullet「カオスの百年~Never Ending Tour 2020~」関西編
気が付けば2020年も12月にたどり着いてしまいました。
年が明けた頃には「東京事変やDOESが活動再開!」「オリンピックが開催される!」など、今年に対しての期待も非常に高かった思い出です。2020という数字も綺麗ですし。
特に私が期待していたのはタイトルにある9mm Parabellum Bulletのツアーでした。終わらないツアーと銘打たれたこのツアーは、予定の段階ではまさに終わる気配を見せませんでした。非常に細かい日程で全国各地でライブを行うことが発表された時、いったいどれだけ、どこのライブに参加できるんだろうって目を輝かせていたりもしました。
しかし、現実には年明け直ぐにコロナウィルスが蔓延りはじめ、それはコロナ禍となり日常を暗澹に包み込みました。はじめこそ「ウィルス流行は嫌だなぁ……」と暢気に構えていたものですが、日に日に日常が壊れていく様を見せつけられるのは苦しかったです。そしてその壊された日常の中には当然音楽、ライブも含まれていました。上記のツアーもいつの日か中止が決まってしまっていました。
それでも、9mmは配信ライブというかたちで、私たちにライブを届けてくれることを約束してくれました。そして、それは無事に実現したのです!
そういうわけで、とにかく期待でいっぱいだった9mm Parabellum Bullet「カオスの百年 ~Never Ending Tour 2020~」の関西編を鑑賞してきました!
以下、そのライブ鑑賞レポートです。ライブ内容、およびセットリストに対しての記載もありますので、閲覧にはご注意いただくことをお願いいたします。
セットリストは以下の通りでした。
菅原卓郎×滝善充アコースティックライブ
- Psychopolis
- Wanderland
- 白夜の日々
- キャンドルの灯を
- 君は桜
4人編成ライブ
- Termination
- Living Dying Message
- Cold Edge
- 反逆のマーチ
- Keyword
- 白夜の日々
- Calm Down
- 生命のワルツ
- カモメ
- Answer And Answer
- ハートに火をつけて
- Talking Machine
- 新しい光
Never Ending Tour は「終わらないツアー」という意味が込められていると思うのですが、予定では全国各地で行うはずだったということもあり「皆に会いに行く」という意味も込められているように思えます。
アコースティックのセトリにも、4人編成のセトリにも、何処か今の9mmを見せつけるといった、そんな思いがぶつけられてくるようなそんな気もしました。
アコースティック編は卓郎さんと滝さんの二人で、終始和やかな雰囲気で進められていきました。
PsychopolisやWanderlandは激しく、それでも何処か重い雰囲気を覚える曲なのですが、アコースティックだと旋律の綺麗さと卓郎さんの声の伸びが相まって、美しくちょっぴり切ない情景が思い浮かんでくるかのようでした。歌詞の重みがより直接的に伝わってくる感じです。MCにもあった「9mmの曲は暗いものが多い」という言葉の意味が、アコースティックだとより顕著に理解できるんですよね。。
また、アコースティック編だと普段のライブでは珍しい卓郎さん滝さんの二人の掛け合いのMCが見られました。いつもは卓郎さん一人のMCなので、ちょっぴり新鮮でした。
ツアーで大阪に向かう際、滝さんが大学卒業できているか怪しく、その結果をかみじょう家で卒業可否判定の発表を見た話が特に印象的でした。もし仮に追試が必要だったらライブを取りやめて試験を受けに行っていた(結果は卒業できた)という話は、何処か9mmが身近に感じられました。今でこそ「住んでいる世界が違ってそう!」といった印象を抱きがちなのですが、彼らにもそうした学生時代があって、今があるんですよね。。そのあとのそば殻を醤油につけて食べた話も含めて、何か9mmに対してより好きになれた感がありました。
そばに醤油かけて食べるParabellum Bullet。
4人体制ライブは、Terminationという非常にキレのある曲から開幕しました。私自身この曲が一番好きということもあって、思わず自宅のモニタの前で飛び跳ねて叫んで、そんな感じでした。生でもこれやってほしいですね。。
そしてTerminationのあとは、Living Dying Message -> Cold Edge -> 反逆のマーチという個人的最強リレーが続きました。生で聴いていたら体力持っていなかっただろうなぁとか、実際配信ライブでもテンションが跳ね上がりすぎて身体を痛めてしまったほど最高のリレーでした!
次に来たのはおそらくこのツアーを体現しているとも言える白夜の日々。初めて聴いたときはコロナ禍を意識して作った曲なのかなと思っていたのですが、ライブで聴くたびにそれ以上に「皆に会いに行く」ことを伝えたい曲なんだと、そう思えるようになりました。きっと本当はこのツアーは「会いに来たよ!」とこの曲で伝えたかったんだろうなぁ、と。
白夜の日々に続いて、このツアーで大きな意味を持っていたと思うのが生命のワルツです。今回の配信ライブではこの曲の間はだれか一人がアップされているといったもので、今回は滝さんが映し出されていました。配信ライブだと視点はどうしても固定化されてしまいますが、実際のライブではこんな風に誰かひとりをずっと見ているだなんてことがままあると思います。一つだけ未来を選ぶ。行きつく場所は同じ。そんな言葉を歌い上げるこの曲こそが、9mm Parabellum Bullet が私たちに示してくれた希望だと思うんです。そして、「いつかのどこかじゃなくて聞いてくれここで命の声を」。この言葉を私たちが成し得たときに、この希望は完成するんです。
上にも書きましたが、このライブで9mmは今見せられる最高の9mmを体現してくれたのだと思います。いつか、どこか。液晶画面越しでなくて、ライブハウスで。ステージに立つ9mm Parabellum Bullet を見られる日が来ることを信じています。